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渋谷手帖(Shibuya note)

秦野市在住のデザイナー・Shibuyaのライフスタイルブログ。暮らしを彩るデザイン、ポテト、ハーブ、エッセイ、レシピなどを紹介します。

#03 こんばんはカモミール

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僕は18歳のときにカフェインが苦手になった。

それまで嗜好飲料と言えばコーヒー・紅茶・緑茶をよく飲んでいたけれど、あるとき家で本を読みながらいつも通りコーヒーを飲んでいると体が変な感じで次第にそわそわしてきて体調が悪くなった。そのときはまさかコーヒー(に含まれるカフェイン)が原因であるとは思わなかったのだけれど、別の日に今度は紅茶を飲んでいるとまた同じ状態になったことからカフェインが自分の体に合わなくなったと気付いた。(こういうことは誰にでも起こりうることらしい)
カフェインの入った飲み物が飲めないというのは当時の僕にとっては小さくない問題だった。家でコーヒーや紅茶を飲む際はノンカフェインのものを買うことで解決できたけれど、問題は家の外にあった。
一人で行くファストフード店、友人と行くコーヒーショップ、そのほかの外出先や厚意で出されるカフェイン入り飲料など、僕の(というより現代の)生活の中には望むと望まざるとカフェインを摂る機会はたくさんあった。
飲食店ではいちいちノンカフェインメニューがあるのか聞くのも煩わしく、一番飲みたいものではないけれど明らかにカフェインの入っていないドリンク頼んでいた。

 

そうして過ごしていたある日、祖母の誕生日を祝うために家族、親戚たちとフレンチ料理屋で夕食を食べていたときことだった。
小さくて落ち着いた店内では、コース料理の殆どを食べ終え、デザート(たしかアイス)を食べていた僕は「もう終わりかな」と思いながらすでに半分帰る気分だった。
ところがそこに店長(シェフ)が現れ「最後のお茶はみなさんカモミールティーでよろしいですか?」と聞いてきた。 カモミールってハーブティーの一種だっけ。飲んだことない、どんな味だろう。 と思ったけれどここにいる全員断る理由もなくそのまま運ばれてくるのを待っていた。
頼んでからふとカモミールティーってカフェイン入ってるの?と思い、 お茶が運ばれてくる間に検索してみたら” カモミールはノンカフェイン。ただし妊娠中の方は注意”と書いてあったからこれなら平気そうだと思った。

 

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カモミールティーが運ばれてきた。黄色い。ほんのり嗅いだことのある甘い香りがする。シュガースティックもテーブルに置かれていたけれどそのままの味が気になり一口目はストレートで飲んだ。
おいしい。味はそこまで濃くないけれど、香りが強い。この香りはリンゴのにおいだ。砂糖を入れても合う。
このお茶はすぐに僕の心を掴んだ。実はカフェインが苦手になってからは既に書いたように最初の頃はノンカフェインの飲料を飲んでたけれど次第に家でもコーヒー、紅茶、緑茶を常飲することは無くなっていた。だからなんだか久しぶりに温かい飲み物を飲んだ気がした。
店を出た親戚一同だったけれど僕は帰り道から一人外れ、その足ですぐ近くのスーパーでティーバッグのカモミールティーを買って家に帰った。

 

その日の夜はお祝い事、料理の美味しさ、それに最後のお茶との出会いもあってとても心地良い気分だったことを憶えている。今でこそ知っているけれどカモミールには鎮静作用があるからその効果も効いていたのかもしれない。